メンズエステで働いていると、「このお客様、ちょっと苦手かも……」と感じる瞬間があるかもしれません。話し方が独特だったり、会話のテンポが合わなかったり、何を考えているのか分かりにくかったり。もちろん、すべてのお客様と相性が合うとは限りません。

だからといって、苦手意識を持った自分を責める必要はありません。大切なのは、「苦手だから嫌だ」と感情だけで判断するのではなく、必要以上にストレスを抱えず、プロとして落ち着いて接する方法を身につけることです。

今回は、セラピストが苦手に感じやすいお客様のタイプを例に挙げながら、気持ちを消耗させない考え方や、接客をスムーズにするコツをご紹介します。

「苦手なお客様」がいるのは珍しいことではない

セラピストは、お客様と一対一で接する時間が長い仕事です。そのため、どうしても人と人との相性が出てきます。

友人や職場の同僚でも、「話しやすい人」「少し距離を置きたい人」がいるのと同じです。セラピストだからといって、すべてのお客様と自然に意気投合できる必要はありません。

むしろ、「誰とでも仲良くしなければ」と考えすぎると、自分自身が疲れてしまいます。

接客で大切なのは、必ずしも「大好きなお客様を作ること」ではありません。どのようなお客様に対しても、一定の落ち着いたサービスを提供できること。そのためには、相手を無理に好きになるのではなく、「仕事として適切な距離感で接する」という考え方が役立ちます。

「相性が合わない」と「悪いお客様」は別物

ここは、ぜひ覚えておきたいポイントです。

自分と会話のテンポが合わない、趣味が違う、沈黙が多いといった理由だけで、そのお客様が悪い人とは限りません。

反対に、自分が苦手だと感じているからといって、必要以上に相手を否定する必要もありません。

「私とは少しタイプが違う人なんだ」と考えるだけで、気持ちがラクになることがあります。

人間関係として仲良くなることと、仕事として丁寧に接することは別。そう考えておけば、無理に相手に合わせすぎる必要もなくなります。

セラピストが苦手に感じやすいお客様のタイプ

「苦手」と感じる理由は人によってさまざまですが、よくあるケースを整理してみましょう。

会話のテンポが自分と合わないお客様

こちらが話しかけても反応が薄かったり、逆に次々と話題を振られたりすると、どう会話を続ければいいのか迷ってしまうことがあります。

しかし、会話のテンポが違うからといって、接客が失敗しているわけではありません。

お客様が静かに過ごしたいタイプなら、無理に会話を増やさず、施術を中心に心地よい時間を作る方法があります。よく話すタイプなら、相手の話を聞くことを中心にすればOKです。

反応が分かりにくいお客様

施術中に「気持ちいいですか?」と聞いても、「普通です」と短く返ってくる。何を考えているのか分からず、不安になってしまうケースです。

こういう場合も、「反応が薄い=満足していない」と決めつけないことが大切です。

人によっては、リラックスすると口数が少なくなることもあります。表情や会話だけで判断せず、必要な確認だけを丁寧に行い、自分の施術に集中しましょう。

細かい要望が多いお客様

「もう少し強め」「ここを重点的に」「次はこうしてほしい」など、細かく希望を伝えるお客様もいます。

要望が多いと、「自分の施術に満足していないのかな?」と感じることもありますが、見方を変えれば、自分の好みを具体的に伝えてくれるお客様でもあります。

対応できる範囲で希望を確認しながら、「どんな施術を求めているのか」を知る材料として受け止めてみましょう。

苦手意識を減らすための4つの考え方

①「好かれなければ」と思いすぎない

セラピストとして働いていると、「お客様に気に入ってもらわなければ」と考えてしまいがちです。

もちろん感じの良い接客は大切ですが、すべてのお客様から好かれる必要はありません。

相手に合わせようと頑張りすぎるよりも、「丁寧な挨拶」「落ち着いた会話」「心地よい施術」など、自分ができる基本をきちんと行うことを意識しましょう。

②相手を変えようとしない

「もっと話してくれたらいいのに」「もう少しリアクションしてほしい」と思っても、お客様の性格をこちらが変えることはできません。

そこで、「この人はこういうタイプ」と一度受け入れてしまうのがおすすめです。

相手を変えようとするとストレスになりますが、「そういう人なんだ」と考えれば、必要以上に振り回されなくなります。

③「仕事モード」に切り替える

苦手なお客様を前にすると、プライベートの人間関係と同じように考えてしまうことがあります。

そんなときは、「この人と友達になる必要はない」と考えてみましょう。

セラピストとお客様は、あくまでもサービスを提供する側と受ける側です。必要なコミュニケーションを取り、気持ちよく過ごしてもらうことができれば十分。

「好き・嫌い」ではなく、「今日も丁寧に接客しよう」と仕事モードに切り替えることで、精神的な負担を減らせます。

④施術後まで引きずらない

苦手なお客様との接客が終わったあとも、「あの言い方は何だったんだろう」「もっと上手く話せばよかったかな」と考え続けてしまうことがあります。

しかし、仕事が終わったら気持ちまで持ち帰る必要はありません。

施術中にできることをきちんと行ったのであれば、「今日の仕事は終了!」と区切ることも大切です。

お気に入りの飲み物を飲む、音楽を聴く、少し散歩するなど、自分なりの切り替え方法を決めておくと、次の接客にも気持ちを持ち越しにくくなります。

「苦手」を「得意」に変えられることもある

最初は苦手だと思っていたお客様でも、何度か接するうちに意外と会話がしやすくなることがあります。

初回はお互いに緊張していたけれど、2回目から好みが分かってきた。話すことが少ないと思っていたけれど、実は施術を静かに楽しみたいだけだった。このようなケースもあります。

一度の接客だけで相手を決めつけず、「次はもう少しこうしてみよう」と小さな工夫を重ねてみるのもよいでしょう。

「苦手なお客様」から接客のヒントをもらう

実は、自分とタイプが違うお客様ほど、接客スキルを伸ばすきっかけになることがあります。

話すのが苦手なら、無理に盛り上げるのではなく聞き役になる。反応が薄いなら、必要な確認を簡潔に行う。細かな希望があるなら、好みを一つずつ確認する。

こうした経験を重ねることで、「いろいろなタイプのお客様に対応できる力」が身についていきます。

得意なお客様だけを相手にしていると気づきにくいことを、苦手だと感じる相手から学べる場合もあるのです。

無理して我慢する必要はない

ここまで「苦手なお客様との付き合い方」を紹介してきましたが、ひとつ大切なことがあります。

それは、「苦手でも我慢して何でも対応しなければならない」という意味ではないということです。

接客中に強い不安を感じたり、店舗のルールから外れる要求をされたり、安全面で心配なことがあった場合は、自分だけで抱え込まないようにしましょう。

店舗スタッフに相談することで、状況を整理できる場合があります。

「これくらいなら大丈夫」と無理を重ねてしまうと、仕事そのものが嫌になってしまう可能性もあります。長く働くためには、自分自身を守ることも大切な仕事のひとつです。

相談することは「接客が苦手」ということではない

何か問題が起きたときにスタッフへ相談するのは、決して恥ずかしいことではありません。

一人で抱え込まず、必要なときには周囲のサポートを利用する。そうした環境を作っておくことで、安心して仕事を続けやすくなります。

「全部自分で解決しなければ」と思わず、困ったときには相談する習慣をつけておきましょう。

まとめ

メンズエステでは、さまざまなタイプのお客様と接することになります。その中には、「ちょっと苦手だな」と感じるお客様がいるのも自然なことです。

大切なのは、すべてのお客様と仲良くなろうとすることではありません。

  • 相性が合わないことと、悪いお客様であることを分けて考える
  • 相手を無理に変えようとせず、「そういうタイプ」と受け止める
  • 「好かれなければ」と考えすぎず、基本的な接客を丁寧に行う
  • 仕事が終わったら、気持ちを引きずらない
  • 困ったことや不安なことは一人で抱え込まず、店舗に相談する

このような考え方を身につけると、苦手なお客様との接客でも必要以上に疲れにくくなります。

そして、苦手だと思っていたお客様との接客経験が、将来の自分の接客力を高めるきっかけになることもあります。

すべての人に好かれる必要はありません。自分らしさを大切にしながら、無理のない距離感でプロとして接する。それが、長くメンズエステで働くための大切なコツなのかもしれません。

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