空気が乾燥するこの季節、セラピストの手は一気にダメージを受けやすくなります。手洗いの回数が多い、消毒の頻度が高い、オイルやタオルで摩擦が起きやすい…。気づけば指先がカサついて、クリームを塗っても追いつかない、そんな日もありますよね。さらに「香り」の問題も重なると、ケア用品選びが難しく感じる方も多いはず。

この記事では、無理なく続けられる“現実的な手肌ケア”を中心に、乾燥・手荒れを防ぎながら、お客様にも心地よい印象を守るための習慣をまとめました。今日から少しずつ、手をいたわる時間を増やしていきましょう。

乾燥の時期に手荒れしやすいのは「頑張っている証拠」

セラピストの手は、想像以上に過酷な環境にさらされています。こまめな手洗い、アルコール消毒、タオルでの拭き取り、室内外の温度差、暖房による乾燥…。これらが重なると、肌のうるおいを守る“バリア”が弱り、カサつきやひび割れにつながりやすくなります。
「私だけ手荒れがひどいのかな」と感じる必要はありません。むしろそれだけ手を使い、丁寧に働いている証拠でもあります。大切なのは、気合いで耐えるのではなく“仕組みで守る”こと。次から具体策に入っていきますね。

まず整えたい基本:手洗い・拭き方・塗り方の見直し

手洗いは「落とす」より「守りながら落とす」

手洗いは欠かせませんが、熱いお湯やゴシゴシ洗いは乾燥を加速させがちです。できる範囲で、ぬるま湯にして泡で包むように洗うだけでも負担は減ります。指輪や時計の下は水分が残りやすいので、仕事中は外しておくと肌トラブルの予防にもなります。洗い終わったら、放置せず“なるべく早く保湿”までセットにできると理想的です。

拭き方で差が出る「タオルの使い方」

手を拭く時は、強くこすらず“押さえるように水分を取る”のが理想です。忙しいと難しいのですが、ここを丁寧にするだけで手荒れの進み方が変わります。指の間や関節に水分が残ると、乾燥の原因にもなりやすいので、軽く押さえて仕上げるのがポイント。タオルが硬いと摩擦が増えるため、可能なら柔らかい素材を選びましょう。

保湿は「塗る量」より「塗るタイミング」

ハンドクリームは、たっぷり塗れば良いというより“回数とタイミング”が大切です。特におすすめは、手洗い後・消毒後・仕事終わりの3回。毎回は難しくても、「最低ここだけは塗る」というポイントを決めると続けやすくなります。ベタつきが気になる方は、仕事中だけ使用感が軽いもの、帰宅後はしっかり系…と“使い分け”をするとストレスが減ります。塗る順番は爪まわり→指先→手の甲の順にすると、荒れやすい部分から守りやすいですよ。

仕事中に現実的に続けるための“持ち歩きケア”

小分けアイテムで「塗り直しのハードル」を下げる

仕事中は、ベタつきが気になって塗り直しを避けてしまう方も多いですよね。そんな時は、軽い使用感の保湿剤を小分けで持つのがおすすめです。少量でも指先だけ整える、手の甲だけ整える…それだけでも見た目の清潔感が保ちやすくなります。ミニサイズのチューブやスティックタイプならサッと使えて、手洗い後の“乾く前の1分”を逃しにくくなります。

指先ケアは“爪まわり”を意識すると印象が変わる

乾燥は爪まわりに出やすく、ささくれは目立ちやすいポイントです。清潔な爪切りで短く整えて、保湿を重ねるのが安全です。指先が整うと、お客様に触れる仕事でも自分の気持ちが落ち着きます。余裕がある日は、爪まわりだけでもネイルオイルをひと塗りしておくと、翌日の見た目が変わりやすくなります。

夜の集中ケアで、翌日の手が変わる

「寝る前だけは丁寧に」を合言葉に

日中に完璧なケアができなくても、夜に取り戻せます。寝る前は時間を確保しやすいので、少し多めに保湿し、乾燥しやすい指先・関節・手の甲を中心にゆっくりなじませましょう。入浴後は肌が柔らかくなりやすいので、ケアの“入り”が良いタイミングです。
手袋が苦手でなければ、寝る前だけ綿手袋を使うのもおすすめです。翌朝のしっとり感が出やすくなります。

「痛い・しみる」時は無理をしない

ひび割れや赤みが強い時は、刺激を感じるケア用品もあります。しみる時は無理に塗り続けず、低刺激のものに替える、範囲を分けて試すなど、やさしく調整しましょう。オイルが触れると痛い時は、施術前の手洗い・消毒の後に“薄く膜を作る”イメージで保湿しておくと楽になる場合もあります(ただしベタつきが出る時は量を調整してください)。症状が長引く場合は、皮膚科に相談するのも立派なセルフケアです。

香り問題:お客様に心地よく、自分もストレスなく

基本は「強すぎない」「混ぜすぎない」

手肌ケア用品は、香りが強いとお客様の好みを分けてしまうことがあります。香水や柔軟剤、ルームの香り、オイルの香りと重なると“香り酔い”の原因になることも。基本は控えめ、できれば無香料〜ほのかな香りにしておくと安心です。お客様が香水をつけて来られる日もあるので、こちら側は“足し算しすぎない”方が失敗が少なくなります。

香りを楽しむなら「タイミング」を分ける

香りが好きな方は、オフの日や就寝前など“仕事と切り離した時間”で楽しむのがおすすめです。仕事中はお客様ファーストで、シンプルに整える。オン・オフを分けるだけで、香り選びに迷いにくくなります。どうしても香りを入れたい場合は、まずは“ほんのり”から。自分が慣れている香りでも、相手には強く感じることがあるので、控えめがいちばん安心です。

まとめ

乾燥する季節の手荒れは、セラピストにとって避けにくい悩みです。でも、手洗い・拭き方・保湿のタイミングを少し整えるだけで、手肌はちゃんと応えてくれます。仕事中は“完璧”を目指さず、持ち歩きケアで負担を減らし、夜に取り戻す。これが無理なく続く現実的な習慣です。
また、香りは「控えめ」「混ぜすぎない」を意識すると、お客様にも自分にもやさしい環境が作れます。手はセラピストの大切な仕事道具。頑張る手を守ることは、長く心地よく働くための土台になります。まずは“今日できるひとつ”から、あなたのペースで始めてみてくださいね。

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